毎年3月末に行われるベルギーのワンデーレース、ヘント〜ウェヴェルヘムの名称変更が発表された。新名称は「イン・フランダーズ・フィールズ」となり、スタート地点もイーペルからミッデルケルケに移動する。



ここ数年はイーペルの第一次世界大戦で戦死した兵士を弔う戦争記念碑「メニン門」 photo:CorVos

正式名称は「イン・フランダーズ・フィールズ・フロム・ミッデルケルケ・トゥ・ウェヴェルヘム(In Flanders Fields – from Middelkerke to Wevelgem)」。初開催は1934年まで遡るベルギーの伝統的な一戦が、初めてその名称を改めることが発表された。主催者であるフランダース・クラシックスは「歴史ある『ヘント〜ウェヴェルヘム』という呼び方は今後も使われ続けるだろうが、この変更によりレースの独自のDNAをより強調できると考えている」と述べている。

この変更は2020年から今年までスタート地点となってきたイーペルから、北に約40kmの海沿いにあるミッデルケルケへスタート地点が今後10年間移ることに伴うもの。レースはこれまでヘント〜ウェヴェルヘムとしながらも、ヘントを出発したのは2003年が最後となっていた。

また2026年はコースの刷新も予定されている。最終的なコースはいまなお検討中だが、第一次世界大戦の戦地との関わりは切り離せず、最も激しい戦闘の舞台となった町の一つ、イーペル中心部を通過する区間は終盤に残す見込みだ。

マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)が連覇した2025年のヘント〜ウェヴェルヘム photo:CorVos

ヘント〜ウェヴェルヘムはベルギーのフランドル地方で行われるワールドツアーのワンデーレースで、丘陵地帯や石畳を駆け巡る、伝統と格式あるクラシックレース。合計9箇所の登坂区間を巡るものの、難易度は高くないためクラシックレーサーはもちろん、スプリンターにも勝機のあるレイアウトだった。2025年はマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)がケンメルベルグでアタックし、残り56kmから独走。連覇で自身3度目の優勝を決めた。

ワールドツアーの名称変更としては、フランスで毎年6月に行われるクリテリウム・デュ・ドーフィネが、2026年から「ツール・オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ」として新たなスタートを切ることが明らかになっている。新名称の「イン・フランダーズ・フィールズ・フロム・ミデルケルケ・トゥ・ウェヴェルヘム」は、2026年3月29日に開催予定だ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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