シマノのMTBコンポーネンツのセカンドグレードとなるDEORE XTがM8200シリーズへフルモデルチェンジ。先日発表されたばかりの新型XTRのテクノロジーを承継し、フルワイヤレス電動変速のラインアップをより厚いものとした。更に、M6200シリーズとしてDEOREグレードのフルワイヤレス化も発表された。

よりタフに。より堅牢に。進化したドライブトレイン (c)シマノ
先日満を持して発表されたXTR M9200。バッテリーからの配線も廃止した電動ワイヤレス変速をはじめ、革新的なテクノロジーを多数搭載し、新時代のシマノMTBコンポーネンツの方向性を指し示した。
その熱が冷めやらぬ中、シマノは二の矢を放つ。XTRに次ぐセカンドグレードのXTもフルモデルチェンジし、M8200シリーズへ。XTRで示されたコンセプトを余すところなく受け継ぎ、より多くのライダーがその恩恵を受けられるプロダクトとしてリリースされた。
よりタフに。より堅牢に。進化したドライブトレイン

フルワイヤレス化を果たしたディレイラー (c)シマノ
XT M8200シリーズへ、シマノはXTRに導入したテクノロジーをほぼ全て与えている。ケーブルを全て排除したフルワイヤレス電動変速ももちろん搭載されており、クリーンなルックスを実現しつつケーブル脱落によるトラブルの芽を根絶。
バッテリーはディレイラーの中心部に配置され、ライド中にかかる様々な負荷や、泥などの汚れから保護され、電源にまつわる予期せぬトラブルのリスクを低減している。
リアディレイラーの形状も全面的に刷新され、新たにロープロファイルウェッジデザインを採用。小型化されたスタビライザー機構をディレイラー前方へとシームレスに統合することで前面の表面積を減らすと同時に、木の根や岩などの障害物に引っかかるエッジを排除した滑らかなデザインへと再設計された。

シマノ XT RD-M8250(左:SGS、右:GS) (c)シマノ
小型化したスタビライザーは、より多くのメリットも生んでいる。その一つがリンクサイズの拡大による堅牢性の向上だ。さらに異物を巻き込まない新デザインのプーリーも合わせ、耐久性を大幅に向上させた。
ここに加え、シマノが対衝撃対策としてリアディレイラーに搭載したのが、オートマチックインパクトリカバリー。予期せぬ障害物との接触などにより、ディレイラーに前方から衝撃が加わった際、ハンガーとの接点を中心にディレイラーが後方へとスリップする構造が採用されている。
その後、ディレイラーは自動で元の位置に戻るため、ライダーは何事もなかったかのように走り続けられる。まさにオートマチックインパクトリカバリーという名称が示す通りのテクノロジーだ。

シマノ XT CS-M8200-12 (c)シマノ
リアディレイラーにはSGS(ロングケージ)とGS(ミドルケージ)の2種類を展開。それぞれに対応するカセットスプロケットも展開されており、SGSには10-51Tが、GSには9-45Tが対応する。
クランクセットは1種類でXCからトレイルライド、エンデューロまで対応するバーサタイルな設計に。剛性と重量のバランスを最適化し、あらゆるライドスタイルをカバーする堅牢かつ軽量なクランクとして設計された。

エンデューロからXCまでカバーする新型クランク (c)シマノ
Qファクターは176mm、チェーンラインは55mmで、クランクアーム長は160, 165, 170, 175mmの4種類を展開。チェーンリングは28Tから36Tが用意される。
直感的な操作を可能とするワイヤレスシフトスイッチ
変速のワイヤレス化に伴い、シフターもゼロから再設計されている。シマノが長きに渡って開発してきたメカニカル変速の操作感を受け継ぐワンストローク・ダブルクリックの2段変速を電動変速でも再現した。

シマノ XT SW-M8250-R/IR (c)シマノ
シンプルなシングルクリックでの変速ももちろん可能。さらに長押しによる多段変速にも対応し、ライダーの好みに応じてセッティングできる。
セッティング幅という側面では、シフトパドルの調整機能も搭載。ボタンの向きを調整することで、より自然なフィーリングでの操作を実現する。また、シフトパドルに加えた3つ目のスイッチも配置され、様々な機能を割り当て可能となっている。I-SPEC EVとクランプバンド仕様の2種類がラインアップされる。
よりパワフルで安定した制動力を実現した新型ブレーキ

ブレーキレバーはERGO FLOWテクノロジーによってより自然なレバーフィールを実現 (c)シマノ
ブレーキシステムも総刷新されている。ブレーキレバーは外観からもより力強い印象を与えるものに。新たに採用されたERGO FLOWテクノロジーによって、最適化されたピボットポイントによって自然なレバーストロークを実現。
再設計されたSERVOWAVEトラックにより、スムーズかつ素早いパワー伝達が可能に。よりコントローラブルなブレーキモジュレーションを実現し、更にアグレッシブなライドを可能とした。

シマノ XT BL-M8220 (c)シマノ
レバー自体は耐久性の高いアルミ製とされ、クラッシュ時にも折損のリスクも少ない。リーチアジャスト機構も一新され、より扱いやすいレバーへと進化した。
XTRで採用された新型のミネラルオイルをXTでも採用。低粘度かつ外気温に左右されない流動性を保つフルードで、より安定感のある操作性を実現した。

よりアグレッシブなライドを可能とする新型ブレーキキャリパー (c)シマノ

シマノ XT BR-M8220/BR-M8200 (c)シマノ
ブレーキレバーは1種類となるが、キャリパーはエンデューロ/トレイル向けの4ピストンモデルと、XC向けの2ピストンモデルを展開。どちらも高剛性な2ピースボディーを採用。XC向けキャリパーはポストマウントとフラットマウントが用意される。
エンデューロからXCライドまで対応するバーサタイルアルミホイール

シマノ XT WH-M8200 (c)シマノ
XTグレードとして展開されるWH-M8200は、汎用性に優れたアルミホイール。エンデューロレースに対応する頑丈さと、XCレースでも活躍する軽量性を併せ持つバーサタイルモデルだ。
内幅30mmのアルミ製フックドリムは、幅広いタイヤに対応しつつ高い信頼性を示す。スポークもトラディショナルなステンレスのJベンドスポークで、オフロードライドに必要なクッション性を備えた。

シマノ XT HB-M8210-B & FH-M8210-B (c)シマノ
合わせてM8210ハブも展開。より容易なメンテナンスを可能とするため、ベアリングとシールを刷新。転がり抵抗を低減しながらも、水や埃の侵入を防ぐように設計されている。
フリーには3.5度の嵌合角度を有しつつ、コースティング中の抵抗を低減するダイレクトエンゲージメントを採用した。
12速のDEOREがフルワイヤレスに。ディレイラーとシフトスイッチを新展開

シマノ DEORE RD-M6250 (c)シマノ 
シマノ DEORE SW-M6250R (c)シマノ
XTと時を同じくして、12速のミドルグレードコンポーネンツであるDEOREにもワイヤレス電動変速化が発表された。XTRとXTに採用された最新のテクノロジーを12速環境に落とし込み、その性能をトレイルを愛する全てのMTBライダーに届けるコンポーネンツだ。
M6200シリーズとして発表されたのはリアディレイラーとシフトスイッチ。リアディレイラーにはSHADOW ES テクノロジーやオートマチックインパクトリカバリーなど、上位モデル同様の機能が搭載されている。同じくシフトスイッチも上位グレードからほぼすべての機構を受け継ぎつつ、12速仕様とされている。
既存の機械式変速コンポーネンツであるDEORE M6100と互換性を有しており、このディレイラーとシフターを入れ替えるだけでワイヤレス化を可能とした。シマノの見据えるオフロードライドの未来を体験したい人にとって、見逃せないモデルとなるだろう。

MTBコンポーネンツのニュースタンダード シマノ XT M8200 (c)シマノ

先日満を持して発表されたXTR M9200。バッテリーからの配線も廃止した電動ワイヤレス変速をはじめ、革新的なテクノロジーを多数搭載し、新時代のシマノMTBコンポーネンツの方向性を指し示した。
その熱が冷めやらぬ中、シマノは二の矢を放つ。XTRに次ぐセカンドグレードのXTもフルモデルチェンジし、M8200シリーズへ。XTRで示されたコンセプトを余すところなく受け継ぎ、より多くのライダーがその恩恵を受けられるプロダクトとしてリリースされた。
よりタフに。より堅牢に。進化したドライブトレイン

XT M8200シリーズへ、シマノはXTRに導入したテクノロジーをほぼ全て与えている。ケーブルを全て排除したフルワイヤレス電動変速ももちろん搭載されており、クリーンなルックスを実現しつつケーブル脱落によるトラブルの芽を根絶。
バッテリーはディレイラーの中心部に配置され、ライド中にかかる様々な負荷や、泥などの汚れから保護され、電源にまつわる予期せぬトラブルのリスクを低減している。
リアディレイラーの形状も全面的に刷新され、新たにロープロファイルウェッジデザインを採用。小型化されたスタビライザー機構をディレイラー前方へとシームレスに統合することで前面の表面積を減らすと同時に、木の根や岩などの障害物に引っかかるエッジを排除した滑らかなデザインへと再設計された。

小型化したスタビライザーは、より多くのメリットも生んでいる。その一つがリンクサイズの拡大による堅牢性の向上だ。さらに異物を巻き込まない新デザインのプーリーも合わせ、耐久性を大幅に向上させた。
ここに加え、シマノが対衝撃対策としてリアディレイラーに搭載したのが、オートマチックインパクトリカバリー。予期せぬ障害物との接触などにより、ディレイラーに前方から衝撃が加わった際、ハンガーとの接点を中心にディレイラーが後方へとスリップする構造が採用されている。
その後、ディレイラーは自動で元の位置に戻るため、ライダーは何事もなかったかのように走り続けられる。まさにオートマチックインパクトリカバリーという名称が示す通りのテクノロジーだ。

リアディレイラーにはSGS(ロングケージ)とGS(ミドルケージ)の2種類を展開。それぞれに対応するカセットスプロケットも展開されており、SGSには10-51Tが、GSには9-45Tが対応する。
クランクセットは1種類でXCからトレイルライド、エンデューロまで対応するバーサタイルな設計に。剛性と重量のバランスを最適化し、あらゆるライドスタイルをカバーする堅牢かつ軽量なクランクとして設計された。

Qファクターは176mm、チェーンラインは55mmで、クランクアーム長は160, 165, 170, 175mmの4種類を展開。チェーンリングは28Tから36Tが用意される。
直感的な操作を可能とするワイヤレスシフトスイッチ
変速のワイヤレス化に伴い、シフターもゼロから再設計されている。シマノが長きに渡って開発してきたメカニカル変速の操作感を受け継ぐワンストローク・ダブルクリックの2段変速を電動変速でも再現した。

シンプルなシングルクリックでの変速ももちろん可能。さらに長押しによる多段変速にも対応し、ライダーの好みに応じてセッティングできる。
セッティング幅という側面では、シフトパドルの調整機能も搭載。ボタンの向きを調整することで、より自然なフィーリングでの操作を実現する。また、シフトパドルに加えた3つ目のスイッチも配置され、様々な機能を割り当て可能となっている。I-SPEC EVとクランプバンド仕様の2種類がラインアップされる。
よりパワフルで安定した制動力を実現した新型ブレーキ

ブレーキシステムも総刷新されている。ブレーキレバーは外観からもより力強い印象を与えるものに。新たに採用されたERGO FLOWテクノロジーによって、最適化されたピボットポイントによって自然なレバーストロークを実現。
再設計されたSERVOWAVEトラックにより、スムーズかつ素早いパワー伝達が可能に。よりコントローラブルなブレーキモジュレーションを実現し、更にアグレッシブなライドを可能とした。

レバー自体は耐久性の高いアルミ製とされ、クラッシュ時にも折損のリスクも少ない。リーチアジャスト機構も一新され、より扱いやすいレバーへと進化した。
XTRで採用された新型のミネラルオイルをXTでも採用。低粘度かつ外気温に左右されない流動性を保つフルードで、より安定感のある操作性を実現した。


ブレーキレバーは1種類となるが、キャリパーはエンデューロ/トレイル向けの4ピストンモデルと、XC向けの2ピストンモデルを展開。どちらも高剛性な2ピースボディーを採用。XC向けキャリパーはポストマウントとフラットマウントが用意される。
エンデューロからXCライドまで対応するバーサタイルアルミホイール

XTグレードとして展開されるWH-M8200は、汎用性に優れたアルミホイール。エンデューロレースに対応する頑丈さと、XCレースでも活躍する軽量性を併せ持つバーサタイルモデルだ。
内幅30mmのアルミ製フックドリムは、幅広いタイヤに対応しつつ高い信頼性を示す。スポークもトラディショナルなステンレスのJベンドスポークで、オフロードライドに必要なクッション性を備えた。

合わせてM8210ハブも展開。より容易なメンテナンスを可能とするため、ベアリングとシールを刷新。転がり抵抗を低減しながらも、水や埃の侵入を防ぐように設計されている。
フリーには3.5度の嵌合角度を有しつつ、コースティング中の抵抗を低減するダイレクトエンゲージメントを採用した。
12速のDEOREがフルワイヤレスに。ディレイラーとシフトスイッチを新展開


XTと時を同じくして、12速のミドルグレードコンポーネンツであるDEOREにもワイヤレス電動変速化が発表された。XTRとXTに採用された最新のテクノロジーを12速環境に落とし込み、その性能をトレイルを愛する全てのMTBライダーに届けるコンポーネンツだ。
M6200シリーズとして発表されたのはリアディレイラーとシフトスイッチ。リアディレイラーにはSHADOW ES テクノロジーやオートマチックインパクトリカバリーなど、上位モデル同様の機能が搭載されている。同じくシフトスイッチも上位グレードからほぼすべての機構を受け継ぎつつ、12速仕様とされている。
既存の機械式変速コンポーネンツであるDEORE M6100と互換性を有しており、このディレイラーとシフターを入れ替えるだけでワイヤレス化を可能とした。シマノの見据えるオフロードライドの未来を体験したい人にとって、見逃せないモデルとなるだろう。

DEORE XT M8200 価格表
仕様 | 平均重量(g) | 税込価格 | |
---|---|---|---|
シフトスイッチ | I-SPEC EV | 97 | 25,369円 |
バンドタイプ | 104 | 25,369円 | |
ブレーキキャリパー | 2 piston | 103 | 11,455円 |
4 piston | 140 | 14,263円 | |
2 piston/フラットマウント対応 | 106 | 10,958円 | |
ブレーキレバー | LEFT | 114 | 12,880円 |
RIGHT | 114 | 12,880円 | |
リアディレイラー | 12-Speed GS:CS 9-45T対応 | 446 | 70,752円 |
12-Speed SGS:CS 10-51T対応 | 449 | 70,752円 | |
クランクセット | 160mm | - | 23,764円 |
165mm | - | 23,764円 | |
170mm | - | 23,764円 | |
175mm | - | 23,764円 | |
チェーンリング | 28T | - | 9,818円 |
30T | - | 9,818円 | |
32T | - | 9,818円 | |
34T | - | 9,818円 | |
36T | - | 9,818円 | |
カセットスプロケット | 9-45T(9-11-13-15-17-19-21-24-28-33-39-45T) | 426 | 23,983円 |
10-51T(10-12-14-16-18-21-24-28-33-39-45-51T) | 463 | 23,983円 | |
ブレーキオイル | 100ml | - | 1,432円 |
500ml | - | 3,703円 | |
1000ml | - | 6,274円 | |
バッテリー | - | 7,115円 | |
バッテリーチャージャー | - | 5,974円 | |
工具 | 9-45TのCSには必須です | - | 2,728円 |
ブレーキパッド | RESIN PAD W/FIN | - | 4,155円 |
METAL PAD W/FIN | - | 5,129円 | |
フロントハブ | CENTER LOCK DISC 28H OLD:110MM | 130 | 12,058円 |
CENTER LOCK DISC 32H OLD:110MM | 130 | 12,058円 | |
フリーハブ | 28H OLD:148MM | 251 | 28,057円 |
32H OLD:148MM | 251 | 28,057円 | |
ホイール | フロント:29インチ OLD:110MM | 931 | 39,768円 |
リア:29インチ OLD:110MM | 1052 | 51,653円 | |
フロント:27.5インチ OLD:148MM | 877 | 39,768円 | |
リア:27.5インチ OLD:148MM | 997 | 51,653円 |
DEORE M6200 価格表
仕様 | 平均重量(g) | 税込価格 | |
---|---|---|---|
シフトスイッチ | I-SPEC EV | 18,823円 | |
クランプバンド | 18,823円 | ||
リアディレイラー | 12-Speed SGS CS 10-51T対応 | 58,847円 | |
バッテリー | 7,115円 | ||
バッテリーチャージャー | 5,974円 |
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